なか卯
子供の頃、親に連れられてよく地元の商店街に行った。
買い物のあと、時々食べ物屋に連れてくれるのが子供心には楽しみだった。
マクドやミスドなんてものは当時まだなくて、食べた物はたこ焼き、回転焼き、それに「うどん」だった。
中学に上がって、親と一緒に出かけることはなくなったけど、友達と駅前に出かけたら、うどん屋に行くのが定番コースだった。かけうどん1杯100円。当時でも財布に優しいうどん屋だった。
その店の名は「なか卯」。
今は牛丼チェーン大手の一角だが、同社のwebsiteを見ると、どうやら子供の頃慣れ親しんだあの店が1号店らしい。ロードサイドで見かける同店はいかにも牛丼店という感じだが、私にとってのなか卯は駅前ビルの地下にあるカウンターだけの小さなうどん屋だった。
そのなか卯が同じ牛丼チェーンの「すき家」に買収される、という記事を見て、故郷のなか卯に行ってみた。
すっかりうらぶれてしまったビル地下の飲食店街だが、「なか卯」は当時のままの姿でそこにあった。
見にくいかと思うが、かけ180円、きざみ・月見・昆布210円、きつね・たぬき230円。豚丼・親子丼はチェーン店と同じだが、うどんに関しては以前のまま。なめこおろしそば、なんて小洒落たメニューはありません。ここは完全にうどんが主。
きつねうどん230円。
うどんとだし、おあげが2枚。それだけ。天かすとねぎは、カウンターにあって入れ放題。麺もだしも特に旨い訳ではないのだが、これでいいのだ。
以前と変わったのは店員の制服・帽子と店の前の黒板。箕面のスケートの心配するより自社の心配しろよ、と言いたいところであるが。
何はともあれ、経営体が変わっても「なか卯」の名前は残るらしいので、この店も大切に残していってほしいものであります。という訳でカテゴリは「グルメ」でなくて「旅行・地域」なのであった。
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